死ぬのがこわい。
私じゃない、私以外の存在が死ぬのがこわい。
ふわふわの灰色も、もちもちの白色も、ほんの少しだけ冷たい小麦色も。
ふわふわの尊い命は、私と彼らが普通に生きれば私より先にあちら側へ行くだろう。
小麦色の命は。
バレーボール選手が31歳の若さで無くなった。
今の彼と同い年だ。
試合に勝利した祝福すべき瞬間にも死の不安が過る。小麦色は私より長生きしてほしい。
私より必ず3日は長生きしてほしい。
こういう気持ちの時は必ずと言って良いほど、椎名林檎のギブスが聴こえてくる。
あの曲は、私に「精製された愛」と「いつか迎えに来る死」の存在を突き付けてくる。
これを書いている今この瞬間も、ピアノの音と「明日のことはわからない」というフレーズが聴こえてきた。
ニベアのクリームとビタミンCが流れていく。塩の味がする。音がこもる。弱々しく鳴くカラスの声にまやかしの海から引き揚げられた。
小さく呼吸をする尊い命たちはどうか私を待っていてくれますように。
ほんの少しだけ大きく呼吸をする尊い命はどうか私よりも長生きしますように。
もちろん、大事なあなたも。あなたのことだよ。
それではまたあした。
#今日のセトリ
ギブス/椎名林檎
こころとあたま/チャットモンチー
睫毛に塩田を作る夜をやめたい。